千葉県教育研究会安全教育部会は昭和43年に設立され、今年度(令和5年度)で55年目を迎えます。この間、安全教育部会では、安全教育の重要性を認識する先人(有志会員)により、児童生徒の危機回避能力の育成や安全教育の指導法の改善を目指して実践研究などが行われ、学校における安全教育が推進されてきました。現在、本部会は千葉県内全域にある10支会(千葉・松戸・船橋・柏・葛南・印旛・長生・東総・夷隅・香取)からなり、各支会の部長が本部会の理事務め、定期的な情報交換、安全管理や安全教育の推進に努めています。
本部会は「児童生徒の安全についての意識を高め、潜在的な危機に対応できる能力と意識の育成」を研究テーマに掲げており、安全教育を推進する会員の幅広い視野と見識を深めるために視察研修会、授業研究会、教育講演会、理事研修会などを実施しています。また、各支会の理事が中心となり、各地域の学校で安全管理や安全教育に関する取り組みも進めています。学校安全は、生活安全・交通安全・災害安全の3つの柱からなりますが、その領域が広範囲に渡るため、教科ごとに安全に関する学習を取り入れたり、外部講師を招いたりするなど、各校で工夫して指導にあたっています。
令和4年度の3月に策定された「第3次学校安全の推進に関する計画」では、近い将来に発生が懸念されている首都直下地震や南海トラフ巨大地震、激化・頻発化する豪雨、台風などの自然災害へのリスク、SNSの利用による犯罪、生命の安全についてのリスクが記されています。このように、自然環境や社会活動の変化により、安全教育の範囲はますます広がっています。しかしながら、安全教育に費やす時間は変わっていません。この課題を克服するためには、より実践的で効果的な安全教育をより効率的に実施していく必要があります。
本部会では、この急速に変化する自然環境や社会の中で、児童生徒が危険を予測し、回避できる能力を育むこと、そして児童生徒の視点を中心に据えた安全教育を目指し、研究と研修を重ねています。