日時:令和6年 10月22日(火)
14:00〜16:30
場所:千葉県教育会館
内容:教育講演会
講師:元釜石市立釜石東中学校 教諭 糸日谷美奈子先生
一般社団法人 Smart Supply Vision 特別講師
わくわく実験工房 代表
千葉市教育研究会安全教育部会 千葉県教育研究会安全教育部会 共催
元釜石東中学校教諭 糸日谷美奈子先生をお招きし、東日本大震災を被災したときの状況、避難から避難所生活について、そのとき感じた心境などをご講話いただいた。また、防災教育の大切さと経験から生かしてほしいことについてもご講話いただいた。
・地面が波打っていた。
・渡り廊下が縄跳びの縄のようになっていた。それが3~4分続いた。
・急にドーンという音が鳴る。
・パニックになる人がいた。
・生徒を検索しようと思ったが、怖くて3階まで登れない気持ちになった。
・地割れで水が噴き出た。
・体育館の照明が落ちてきた。
・放送が使えなかった。電気がすべて止まっていた。
・地震から数分後、避難場所に到着し、ほっとした。ただ周りがゴゴゴゴと鳴り響いていた。
・すべての生徒の保護者に連絡がとれるまで約1週間かかった。
・震災後に自宅に戻ってからも、ライフラインが停止しているため、気持ちがおかしくなった。
・トイレ1つに対し、2000人が使う状況であった。
・食べ物がなく、焼いたサンマを一口ずつ食べるという日があった。
・段ボールをお腹の中に入れると、少し暖かかった。
ア 被災1日目(災害直後)
無感覚、感情の欠如、ぼうぜん自失
おなかがすかない のどが乾かない 眠くない 寒い 怖い トイレに行きたい
イ 被災2日目
被災者同士が強い連帯感が生まれる
ウ 被災3日目
支援の遅れや行政の失策への不満が噴出
けんかなどのトラブル
飲酒問題
3日目となると、周りが見えてくるようになり、避難所、地域、被害などの差が気になり、心無い言葉が出てしまう。
エ しばらくして、復旧が進み生活のめどが立つころ
生活再建への自信が向上する。
復興から取り残された人にはストレスが多い生活が続く。
・学んだことを地域に広めていくことが大切である。「釜石の奇跡」はそれが徹底されていたため、多くの命を救うことができた。
・2010年度に総合的な学習の時間を活用して、「防災ボランティースト」と題した学習を行っていた。
内容は、防災マップ、応急処置、炊き出し、など自助に関わるものが多くあった。そのため、自助はできていた。
・避難訓練は放送が使えないため、訓練時は、拡声器、トランシーバーなどを活用する。
・ガラスだらけを想像した訓練が必要である。
・身体的・精神的なケアをしてくれる教諭を配置しておくことが必要である。
・誰かを救おうとする活動は、自分の心を救う。
東日本大震災で被災した方の生の声を聞くことができ、当時の状況ついて詳しく知ることができた。また、大災害を目の当たりにして、パニック状態になると、正しい判断ができなくなることや、避難所生活の大変さなどについて理解を深めた。防災教育についての講話から、訓練の甘さを感じた。これまで以上に被害を想定して訓練をしていくことが必要だと感じた。また災害を継承していくことが、今生きている人達の役目であると感じた。